2010年5月25日火曜日

MTM05終了!

5月の22(土),23(日)に東京都内で行われた、Make: Tokyo Meeting 05 が無事終了しました。
denha's channelは愛知県豊山町(イチローの町)からの参加です。



ここ、denha's channelのブースにも老若男女問わずたくさんの方が見に来られました。ありがとうございました。



皆さん食い入るように・・・


お兄ちゃんガン見!



中でも一番の盛況だった機械系の作品、マーブルマシンやボールトラック装置は休みなく稼働させていたのでいろいろ不具合が出てきました。自宅で楽しむ分には数分、数十分ですが、出展となると装置にとっては過酷です。次回、中部圏で初・・・というより東京以外で初のMakeが開催されます。自宅からも近いということで参加を予定していますが、機械系が出来るだけ永く動くように改良と修理などのメンテナンスを念入りにしていこうと思います。

相変わらずのLEDバッヂ販売や、自作シンセ工作も展示します。




次回は岐阜県大垣市のMakeでお会いしましょう!
http://makeogakimtg.org/

2010年5月24日月曜日

お疲れさまmonotron!

MTM05も無事終了し、最後の追い込みで書けなかったネタを含め、monotron改造をまとめます。


1.rateノブのLEDを赤から青緑に換装

2.ノブに白ポチ追加

3.LFO/EG切替スイッチ追加

4.電源ランプ追加

5.CdS(光センサ)による周りの明るさでpitchとcutoffに作用する機能の切替スイッチの追加

6.リボンコントローラの演奏範囲を2オクターブに拡張するスイッチの追加

7.5に伴う2オクターブ分の鍵盤ラベル追加

8.VCFキートラックの調整(控えめに)

以上のレポートはここ

そして、
まさかの440チューニングボタン追加

440機能 改訂



その、440チューニングボタン追加のあと、電池をエネループにしたら動くだろうかと試してみたら動いた!
満タンで1.3Vちょいあるので2本だと2.7Vくらい。ただ、電源表示の青色LEDが点灯しない。赤系に比べてVfが高いからなぁ。
ということで時代に逆行し赤LEDに交換。この方がレトロな感じが出るので良しとしよう。

このmonotron、手に持って振るとわかるが、「カタカタ」と音がする。底面の電池室で電池が踊るのだ。そこで電池蓋の裏に網状の滑り止めシートを貼り付けた。ちょうど良い具合に潰れてくれるので電池がフィットする。



次は、ラインにつなげば良いとは言えやっぱり内蔵スピーカの音量が小さい・・・ 当たり前の方法で試した。
LM386をフィルタの出力につないでみたら出音を大きくすることが出来た。なーんだ簡単♪ と思ったのもつかの間、ヘッドホン端子にプラグをつないでも音が出たままだ。そしてラインから音が出ない。結局、あまりお勧めできない方法だがmonotron最終段のアンプ出力、つまり内蔵スピーカの線を外しLM386を挟んだ。そしてゲイン調整。(LM386は、大きな外付け部品の少ないMC34119に変更)
ちょっと音が大きくなった。


仕上げとして、せっかく”naotron”と命名したということで(あれ?いま初めて書いたかもw)本体のロゴが”monotron”ではおかしい。
今までパネルにテプラを貼っていたけど、ロゴの下にある小さな文字「ANALOGUE RIBBON SYNTHESIZER」が潰れるだろうということでホワイトフィルムラベルにプリントアウトした。それを切って貼るわけだが、切った断面ってのは白い。ホワイトラベルだから・・・
切ったフィルムの断面は黒い油性ペンで補正した。まぁ、ラベルの段差は仕方がない。特定の角度からパネルを見なければ最初から「naotron」に見える。 あっ、そうだ、ロゴの下の小さな文字、”ANALOGUE”は”ANALOG”に縮めた。”あなろぐぇ”って何だ?



ここで改造が終わったかに思えたが、最後にひらめいてしまった!CdSが付いてるんだから、これを外から照らす物を作ってみようということになり、電圧制御によってLEDの明るさが変わるような回路を作ろうと思った。twitterでChuckさんにアイデアを頂いた”V-I変換” 回路例を探して試してみるも上手く動かず・・・
ある日、風呂で思いつく。「やっぱPWMか・・・」
ノコギリ波回路とコンパレータで出来ることを思いだし、早速ブレボで実験。
動いた。
手軽に感動できるネタだった。

(回路図は描き次第アップ)

ストックしてあった無印のヘアピンケースにLi-Po電池、電源ジャック、電源スイッチ、CV入力用3.5ジャック、回路は空中配線して詰め込んだ。



LEDは3chipタイプの強力なやつ。これをケースフタの裏に貼り付けた。このLEDがフタを開けたときにnaotronのCdSの上に来るようになる。なかなかナイスなアイデア!



MTM05終了後なので今書けますが、KORGさんから依頼された即席デモンストレーションでは、この光モジュレータもウケました。

2010年5月11日火曜日

440機能 改訂

実を言うと、現改造では440Hz発振音は内蔵スピーカのみでヘッドホン端子からは出ません。”本体のみで完結”という改造方針に沿ってはいますが、実際のお披露目の場での外部スピーカ接続は必須というわけで、monotron回路中の入力ポイントを真剣に探ってみました。

aux端子に平行して接続・・・
monotronのauxはステレオ受けするようになっています。内部では10kΩの抵抗でミックスされているのでその横に並ぶように新たな10kΩをつけて440を入力してみました。すると、リボンを押さないと音が出ません。aux端子にプラグを差すとゲートを開きっぱなしになる仕掛けがあるようで、440ボタンでその音を個別に出したい場合、ゲートも同時に開けなければいけません。

では、ゲートも同時に開くようにtakedaさんのページ(ソースはmasa921さん)を参考に回路を追加しました。今度はなんと440ボタンを押しただけでmonotronのVCOの音も出てしまいました。それもそのはず、CVを指定しないままゲートを開くので最低のCV(電圧)の音程でVCOが発音するのです。これもダメでした。

あとはボリューム直前のポイント探しです。基板のパターンを追っていくと、peakボリュームの3端子のうち向かって左からボリュームに入っています。と同時にここからVCFの入力にフィードバックしていることも分かります。ここに440を入れることにします。5端子あるボリュームのGNDのとなりの端子付近をパターンカットして10kΩを挿入します。そして同じ端子に440回路からの線をつなぎます。440回路の出力段に設けたCRフィルタの値を調節してちょうど良いバランスになりました。

  

これで本当に改造が完了しました。MTM05が待ち遠しいです。

2010年5月7日金曜日

まさかのA440機能追加

KORG 俺monotron・・・

昨年、RJBさんの”シンセの素”を利用して製作したスーツケースシンセAVARUSに音合わせ用としてチューナーを内蔵し、後になってLED表示では使いにくいことが分かるという失敗を踏まえ、今回のmonotron改造でリベンジを果たすべく、440Hzの基準音を出すボタンを付けることにしました。

銘機prophet-5にはA440ボタンが付いていますが、こちらは5MHzのクリスタルを分周して作っています。クリスタルだからカシオトロンの様に正確。月差±15秒以内! でも、monotronはどのみちリボンで音程を出すわけですから適当な発振回路で良いだろう・・・ということで馴染みのあるNANDを使ったCR発振器を採用しました。
 
ブレボでやればいいものを本番ステージで空中配線を敢行!何度か部品を付け替えてようやく値が決まりました。NANDゲートは手持ちのTC7W00Fです。いつか使えるだろうと買っておいたものです。SOP14でも入らない場所にはもってこいの2回路入りパッケージです。

monotronの出力用オーディオアンプIC、TPA6111A2の2番ピンに上の回路を入れました。最初はゲートの出力をそのまま入れたら大きすぎたのでCRフィルタを入れました。

ボタンは小型のタクトスイッチを使いました。取り付け方法は基板片をケース裏にくっつけてそこへハンダ付け。いつものやり方です。

 



392x238

takedaさんのページにmonotronの中身について詳しく書かれています。
参考にしまくりです。

2010年5月4日火曜日

KORG monotron

先日(株)コルグより発売された手乗りアナログシンセサイザーmonotron。価格も手ごろとあって、本物のアナログシンセを触ったことがない人たちには恰好の教材?だと思います。
一昨年、学研から刊行された大人の科学シリーズ”アナログシンセクロニクル”のふろくシンセSX-150を彷彿とさせますが、SXの場合は極限までコストカットしたために半固定抵抗によるコントロールノブ、段ボール製の底板、電源が単三電池4本など、ユーザーが手を加えられるところを敢えて残したと捉えるにしても、あくまで”ふろく”なので実用には及ばないところもあったと思います。monotronは6千円ほどで買える本物のアナログシンセなのです。

 

ということで、ぼくもアナログシンセ回路の”教材”として遊んで・・・いや、勉強してみました。


まず、そのパッケージは同社のチューナーのようです。付属品は電池と取説くらいですから非常にシンプルです。

箱から本体を出すと、その小ささに感動します。単四電池2本で動きます。リボンコントローラを指でなぞるだけで音が出ます。
そしてしばらく遊んでいるといろいろ欲が出てきます。

欲と言うか、世界に二つと無い”俺monotron”に仕立てたくなってきます。



MTM05のネタにもなるということで開腹します。(分解/改造等で故障した場合、メーカーの保証が受けられなくなりますので注意してください)
ここでまた感動。というか絶望・・・
「部品がちっちぇー!」
当たり前と言えば当たり前ですが、リボンセンサーに5つのコントロールノブ、背面のボリュームとミニジャック2つ。残りのスペースに全ての回路を詰め込んであるわけですから部品が小さいのです。1608チップ抵抗なんかはルーペがないと値が読めません。さらに文字(シルク)印刷も細かく入っているのでパターンを追うのも困難です。



しかし、基板を裏返すとアナログシンセDIYer初心者に希望の光が見えます。VCO、LFO、cutoffなど、回路中のポイントがラウンドに現れていますので、ここから信号の入出力ができるようです。



このmonotron、3Vで動くのかと思いきや、内部で5Vに昇圧していました。


今回改造したポイントです。

1.rateノブのLEDを赤から青緑に換装

オリジナルのLED色は赤ともオレンジとも言えないアナログシンセ黎明期を連想させる色ですが、ぼくの好きな青緑色にしました。このLED付きボリューム、他の機器でも最近見ますが、どうなってるかというと、ボリュームの底に小さな穴が空いていて直下に面実装されたLEDの光がそこを通って透明のノブを光らせるのです。

 

2.ノブに白ポチ追加

monotronのノブには印があるのですが一見真っ黒です。浅い溝になっている印に修正液を塗ることにしました。ペイントマーカーより修正液の方が確実に”白”が出ると思います。修正液を一旦外に出してシンナーで希釈し、つまようじで塗りました。はみ出たらカッターの先で削ればOKです。

 

3.LFO/EG切替スイッチ追加

monotronのLFOはよく考えられていて、リボンよりトリガーを受けるとLFOの周期がリセットされます。これはトレモロ演奏の時に有効です。アタック0でディケイが変えられるEGが連続して動作するモジュレータとも解釈でき、連続しないようにすればEGになるというわけで、LFOとEGを切り替えられるスイッチを付けました。スイッチの固定には基板片をケース裏にゲル状瞬間接着剤で貼り付け、そこへ1.0mm真鍮線をハンダ付けしました。もう一方は真鍮線をネジで固定してあります。回路の改造方法に関してはmasa921さんにご指導頂きました。



4.電源ランプ追加

上記3.の改造でEGモードの時、LEDが連続点灯しなくなるので別に電源LEDを設けました。着色パッケージの青LED、秋月で売っているL314LBDを使いました。http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01222/
電池から1kΩを介して取り付けました。



5.CdS(光センサ)による周りの明るさでpitchとcutoffに作用する機能の切替スイッチの追加

基板ウラにあるラウンド(パッド)につなげられるモノ・・・簡単で面白そうなのでCdSを付けることにしました。光量で抵抗値が変化する部品です。CdSは、いい所に5mmで開けた穴に差し込み、裏からエポキシボンドを流し込んで固定しました。そして、電源の5Vとグランド間でCdSと220kΩの分圧回路を作り電圧の変化として取り出しました。そこから4.7kΩとセレクトスイッチを介してpitchパッドとcutoffパッドに入るようにしました。スイッチの取り付け位置がしばらく見つかりませんでしたが、基板のベタグランド部にスイッチが入りそうなスペースがあったので切り欠いてはめ込みました。基板厚が1.6mmでスイッチの厚みが4mm、スイッチが基板厚分沈めば2.4mmですからかなりの厚みを稼ぐことができました。

     

6.リボンコントローラの演奏範囲を2オクターブに拡張するスイッチの追加

monotronの演奏範囲は1オクターブちょっとです。指先での演奏はこれが限界だと思いますが、タッチペンを使えば2オクターブ行けそうです。そこで、本体背面にあるVCOのスケール調整VRにつながっている820Ωに470Ωを並列につなげるようにスイッチを設け、1oct-2oct切替ができるようにしました。スイッチはリボンの右のスペースに取り付けます。下側のケースを若干加工してスイッチの底が当たるようにして固定できました。

   

7.6に伴う2オクターブ分の鍵盤ラベル追加

2オクターブにすると”感”だけでは正確に弾くことはできないので鍵盤の絵を貼ることにしました。monotronのリボン画像から必要分の画像を作りテプラに出力しました。



8.VCFキートラックの調整(控えめに)

monotronのフィルタはリボンの位置によって開いたり閉じたりします。アナログシンセを理解している人は分かると思いますが、フィルタの開きが一定の場合、高い音に行くに従って音がこもることになります。それはローパスフィルタ(低域通過)の場合、高い周波数成分からカットするためです。その不具合を解消するため、VCOに入れる電圧変化をVCFにもある程度入れてやります。そうすることによって高い音を弾いたときでも一定のフィルタの開きとして聞こえます。デフォルトでは効き過ぎている感じがしたので330kΩを1MΩにして変化をおとなしくしました。

 中央の斜めに付いている[105]がVCFキートラック用抵抗。何度も試している内にパターンが剥がれたので回路がつながっている隣の抵抗にくっつけました。


番外

電線を固定する方法として両面テープを使いました。台紙を剥がして粘着テープだけになるとフニャフニャするので面実装品が載っている基板上の凸凹した所にもある程度フィットします。さらに丈夫にしたい場合はテープに瞬間接着剤を染みこませます。




まとめ

 

手のひらで遊べるアナログシンセというコンセプトをかたくなに崩さず、なるべく本体内で完結する改造にしてみました。

実現できなかった機能・・・

1.モーターを仕込んで、机上に置いたmonotron本体をブン回し、レズリー効果を得る。
2.FMトランスミッタを内蔵し、ワイヤレスでアンプにつなぐ。