2010年6月11日金曜日

Pepper-monakaで遊ぶ

MIDIをベースとしたフィジカルコンピューティング用のプラットフォームを開発していらっしゃるもあさんより、パソコンからMIDIクロックを取り出すことが出来るプログラムが書き込まれたPepper-monakaのモニターをさせて頂いています。つい最近までtwitter上で機能追加や要望、実際にPCにつないだ上でのテストなどを繰り返し、ようやくfixしようとしています。

※今回試用したmonakaはテスト版であり正式リリース品ではありません。

さて、monakaとは「morecat.lab」をご覧頂くと分かると思いますが、コンピュータと物理的(physical)な物体をUSB-MIDIでつなぐインターフェイス装置です。今回はmonakaの中でも一番小さな規模であるPepperを使ってMIDI同期式アナログシーケンサを作りました。超小型のPepperはこのような自作機器に組み込みやすく出来ています。今回のMIDIクロックを取り出すPepperのプログラムはもあさん製ですが、プログラム次第で様々な使い方が出来るようです。彼の著書もあるので、これを機にフィジカルコンピューティングの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。

Gainer互換Pepperでフィジカル・コンピューティング 桑田 喜隆 著 CQ出版

今回モニターをさせて頂いたきっかけは、ドラムシンセ XR-NoizBoxIIを試作したときに、Ginger-monaka(中規模monaka)があればパソコンからトリガーパルスが取り出せるという話を伺い、「じゃぁ付けてみるー」と軽い気持ちでGingerを分けて頂いたことが始まりでした。しばらくして、もあさんに「MIDIクロックが取り出せたらLFOと同期できたりするよねー」と話が発展し、トリガーとMIDIクロックだけならPepperで十分ということで今に至ったわけです。



ぼくの場合、いつも入れ物ありきなのでちょうど良さげなケース探しから始まります。一番のおきにーが無印良品のPP(ポリプロピレン)ケースです。Pepperの活用例という意味合いもあって最低限4ステップの電圧設定用ボリュームが4個並べられるPPピル・ピアスケースを利用しました。

部品ストックの中からユニバーサル基板を取り出し、部品を適当に配置して配線。製作過程の様子はエラく端折りましたが、ろくに回路図を書かずに作業したので思ったより手こずりました。以前、16ステップのアナログシーケンサを作ったときにちょっと要領を得たこともあり、今回はオートリセット回路を付けました。Pepperからパルスが来なくなったらカウンタにリセットを掛けちゃおうというものです。リセットの仕組みは、連続したパルスがひとかたまりのHロジックレベルになるよう、エンベロープフォロワを通します。ネットを漁っているといくらでも出てきますがC-MOSインバータのみで作られていた方が何かと都合が良いのでこれを参考にしました。それで得たリセットパルスをバイナリーカウンタの4024のリセット端子に放り込みます。

都合が良いというのはその回路の出力段に微分回路を設けたので、その波形を整形するためのゲートが必要だったり、GATE出力の極性を両方用意するのにも使います。リセットまでの時間はC1によって決まりますが、ちょっと長めですので適宜変更しても構いません。
電圧切り替え(シーケンス)には4ステップなのでC-MOS 4000シリーズの4052を使いました。4つ切り替えのスイッチが2組内蔵(但し制御は1系統)されていますので、ボリューム用とLED用でピッタリです。
今回の用途のPepperはパソコンから送られてきたMIDIクロックを分周する働きをしますが、分周比の設定をコントロールチェンジにて行います。MIDI規格では4分音符あたり24のパルスを送ることになっていますので4分音符のパルスを得たい場合はMIDIクロックを24で割ります。16分音符でしたら6という具合です。さて、4つ並んだボリュームですが、4024にリセットが掛かった場合4番目のボリュームに止まるようにします。スタートでパルスを数え始めるので4番目の次の1番目からシーケンスが進みます。
ケースの厚みがギリギリなのでCVとGATEの端子には面実装タイプの3.5mmミニジャックを使いました。1.0mmの片面生基板を切り出し、Pカッターでスジ彫りパターンを作りました。あとはケースに穴加工を施して完成です。

ステップ表示のLEDは敢えてパネルに出しません。半透明なケースの中でぼんやり光る様子が美しいのです。

電源はUSBバスパワーなので電池が不要です。


392x238

2 件のコメント:

  1. Twitter 経由でこの動画見た時は驚きました。自作できるのは凄いなと関心しきりです。これからも面白いガジェット作ってください。

    返信削除
  2. ありがとうございます。
    これもPepperという核があったからこそなのです。

    秋に開催されるシンセビルダーズサミットに出品しますので良かったら遊びに来てくださいね。

    返信削除