2012年6月8日金曜日

”なおみん”製作記

あれは初めてのMake出展のときでした。お隣のブースには米本電音研究所の米本先生がいらっしゃっていて、タッパー容器にボタンとツマミが付いている”ヨネミン”なる楽器を展示されていました。
仕組みは単純で、ボタンを押しているあいだ音が出て、ツマミを回すことでその音程を変えられるという物です。 これをオレ流に作ってみようと考えたのでした。

ボタンで操作するということは音量の有る無しになるので、テルミンでの左手のように無段階の音量コントロールをするべく、直線的に動くスライドボリュームを使うことにしました。音程はヨネミン同様ツマミを回して行います。

一次試作は適当な容器のフタにスライドボリュームと発振回路を仕込み、右手で回せるようにボリュームを付けました。それがこれ。



音量コントロールの為の伸縮動作の支えがスライドボリュームだけなのでグラグラ不安定で演奏しにくいです。 そこで仕事場にコロがっていた直動部品(リニアガイドとかいう)を組み込んでみました。
スライドボリュームのストロークと偶然にも同じ20mmトラベル!伸縮動作も滑らかで好感触です。

手持ちのユニバーサル基板にスライドボリュームを取り付け、発振回路部分は自前エッチングで基板を作りました。それをアクリルの筒に格納し先端にスピーカを貼りました。伸びて出てくる部分に回転ボリュームを取り付けました。電源は当初LR44アルカリボタン電池2個でしたが、3.7VのLi-Poバッテリーに変更しました。充電可能でスペース的にも有利です。



実は、2011秋のMTM07出展でなおみんをご覧になった方から後日連絡があり、譲って欲しいとのことでしたので、複製、つまりは量産を考えました。
初版を作った数年前、なおみんの重要部品であるリニアガイドがたまたま仕事場に転がっていたものだったから1台できたものの、そのリニアガイドは既に廃番になったものでした。が、しかし、今回機械部品通販のミスミで相当品が見つかり量産の道が開けてきたというわけです。

そうとなれば基板起こしです。ロータリーボリュームはアルプス電気のホリゾンタルタイプ、スライドボリュームは出所のわかるものが見つからないので初版の通りジャンク品を使います。基板は2層構造にするので2枚分を1枚の基板として発注しました。そして出来たのがこれ。



次は、基板に取り付けたリニアガイドを外装となるアクリルパイプに固定する金具の製作です。
同一のものを簡単に作るためにはジグが不可欠です。マーブルマシン用に角材が山ほどあるので端材などを利用してサクッと作りました。



真鍮フラットバーを切ってジグにセットすれば、あとはハンダ付けするだけです。ところでこの真鍮フラットバー、意外に売ってなくて、東急ハンズの通販で手に入れました。



そして透明のボデーとなるアクリルパイプの加工です。一番面倒です。もし外注したら1個数千円でしょう。今のところ、現物合わせで穴位置を決めています。スピーカが取り付く丸板は直径30mmなので内径31mmパイプのフタにすると0.5mmの隙間が空きます。そこは丸板の外周3点を小ネジで支えて留めることにします。小ネジと言っても丸板を点で支えたいのでタッピンネジを使います。そうなるとアクリルにねじ切り出来ないので、ここでハンダごてを使います。
ネジより小さめの穴を開けておいて、ネジを仮付けします。そしてハンダごてでネジの頭を熱します。するとネジの周りのアクリルが柔らかくなるので、すかさずドライバでネジを締めていきます。硬くなったらまた熱します。これを繰り返すとネジがアクリルに全てねじ込まれるというわけです。



最後は組み立てです。一通り組み上げると、まずスライドの動きが硬いです。スライドボリュームとリニアガイドの平行が取れていないからです。動きの調整は、ちょっと強引ですがパイプと内蔵物を持ってどちらかに少しねじってやると動きが軽くなります。



現在、1個300円のツマミが付いていますが、希望としてはボデーと同径のアクリル無垢材のほうが見た目が良いように思います。ただし、原価が一気に跳ね上がりますが・・・。



上手ではないですが演奏してみました。


























1 件のコメント:

  1. はじめまして
    MOM2012の出展者紹介ページからおじゃましています.

    Nao-Minの発振回路部分は,どのような構成に
    なっているのでしょうか?

    非常に興味があり,自分でも作ってみたくなりましたので,差し支えなければ,ブロック図等で紹介していただけないでしょうか?

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